一生に一度の大仕事が終わった。
噂にはきいていたけれども、こんなに大変なこととは想像もしていなかった。
それは実家の処分。
母が亡くなってから相続でごたごたして約一年、誰も住まなくなった実家を私が相続することになった。
とはいえ、私はもう東京の人間で地元に戻るつもりなんてさらさらないし、人口もどんどん減っていく地元で、古民家でもないただのぼろいだけの家は使い道もなく処分するしかないのだった。
更地にしてしまうと固定資産税がはねあがるので(だから空き家のまま放置というのが多いんだよね)、そのまま売りに出したのだが、買い手がつかぬまま時間だけが過ぎ、とある不動産屋が解体はこちらでするので解体費用を差し引いた値段でなら買います、と言ってきた。
解体費用も高騰していて、そもそも解体業者がつかまらない等、足元を見られている感は否めなかったけれども、もうめんどくさい、このまま処分できないというのは困る、二束三文のいい値で手を打った。
はい、めでたし、めでたし、じゃあ代金をくださいね、と、そうは問屋が卸さない。
まずは正確を期すための測量。
よくちっちゃな望遠鏡みたいなやつを三脚につけて覗いている人がいますよね、あれです。
それがそんなに費用がかかるものとは思いもよらなかった。50万円超。
さて、実家は東側が道路で、南と北と西側は住宅となっており、それぞれ塀がある。
南側のお宅。
うちのガレージのブロックが3センチほど隣家の敷地へはみ出ている、と言い出したと仲介業者から連絡があった。
ガレージを作ったのは50年以上前で、なぜ今頃になってそんなことを言い出すのよ?50年前に言えばいいじゃん、ご近所関係を悪くしたくなくてだまってた、今回解体するということなので今しかないと思い言った、と。
仲介業者が、どうしますか?書類も何も残ってないし証拠もないので裁判にすれば勝てると思いますけど、う~ん、でも両親がお世話になったと思いますので、お隣さんの言うことをそのまま受け入れます、3センチはみ出てたということで、スミマセンでした。
はみ出ている部分を壊して、その部分は隣家のものとなるのだが、その部分をきれいに直して欲しい、費用も持ってほしいと、どうします?
はい、もめたくないしめんどくさい、はいはい、わかりました、解体作業とともにやっちゃってください、私が払います、見積もり金額20万円也。
解体には隣家との間に養生をしなければならず、ガレージの塀の隣には隣家の車が停まっていて、車を動かしていただけませんか、これは息子の車なので動かせない、息子がどこにいるのかわからない、お盆のころには帰ってくるかも、って、なんだ、そりゃ。
北側のお宅。
境界のブロック塀があるのだが、それが共有となっており、古くてぐらぐらしてるのでこの機に解体して新しい塀を作りませんか、費用は折半で、と。
私はOK、不動産屋は塀を共有にするとのちのち困ることになる例が多々あるので、これを機会に別々にしたい、と。
解決策として共有の塀部分のこちらの部分、塀の幅の半分の数センチX約25メートルの土地を塀ごと隣家に贈与してしまうというのでどうでしょうか?
そういうのありなんですか? ありです、じゃあそれでいいです、そうしてください。
塀部分の土地の贈与、測量のしなおし、登記の変更、もちろん費用が発生する。
ほかにも細かな問題が次々に出てきて、あ~、もう、うんざり、だけどもそんなこんなでどこに行ったかわからなかった隣家のご子息も帰ってきて、やっとこさ実家は更地になった。
昨日暑い暑い地元に赴き、ハンコをたくさん押して、実家はようやく人手に渡った。
丸一年かかった。
あっちに支払い、こっちに支払い、あっちに謝り、こっちにお礼を言い、残ったのは微々たるお金と胃痛。
ここからさらに20%ほど税金が持っていかれる、どんだけ~!
とにもかくにも終わった。
疲れた・・・。
















